8月納涼例会が8月27日(木)カフェソースバンケット(本通りビル3F)において開催されました。
担当は地域づくり委員会(井上法雄委員長)であり、ゲストには公立鳥取環境大学 倉持裕彌准教授
をお招きし、「人口減少とまちづくり」と題して講演をいただきました。参加者は39名。

◎倉持裕彌准教授の講演概要
「人口減少とまちづくり」
1 人口減少の実態と予測
・世界の人口(2010年) 約70億人(アフリカ 10億、アジア41億、ヨーロッパ 7億5千)
先進国 18% 開発途上国 82%
・移民が受け入れられるか? 日本 入り 1.8% 出 0.7%
・人口減———-なにも今に始まったことではない。
1950年代から郡部ではすでに社会減がはじまっており、若者が都市にでる。
現在は「社会減」と「自然減」の両者であり、内容に変化がでてきた。
・一人暮らしの高齢者
全国的に一人暮らしが増えてきているが、高齢者の中での割合に鳥取県は変化率が小さいが
東京都は断トツに多い。(2010年 23.6%)——これからも増え続ける。
・若者が出ていく理由
①高度経済成長期————集落第1次産業が主力、労働力が過剰になり、長男以外は都市部へ
②現代———–構造的なものがある。第2次・3次産業がない。仕事がない。第1次産業だけでは
成立しない。(兼業農家、共働き)、親が都市部への就職を勧める。
・都市が若者を引きつける。
豊富で多様な「選択」「機会」、
一方で農村という社会の消失(生産、消費、人間関係が一定の空間に収まっていた時代の終焉)
都市の暮らしも農村の暮らしもよく似てきた。
都市部はサラリーマン社会を前提としている。都市部こそが便利な社会
2 人口減少の影響と要因
・人口が減少することによって——地域社会が疎らになる。サービスの供給効率が下がる。
財産・資産の管理が行き届かない。不動産の価値低下
要は、暮らしにくくなると想定される。
・人口が減少する社会、地域——–過疎、縮小社会⇒国全体として人口減少に向かうのははじめて
「縮小社会」の到来
・過疎になるのはなにも農村だけではない。⇒⇒「街なか過疎」
限界集落とは———-高齢化率50%以上、街なかも人口減少と高齢化
たとえば、米子市 29.8%(2003年)⇒34.8%(2013年)
・人口減少の具体的影響———–①買い物弱者の増加 ②空き家の発生
3 「縮小社会」への対応
・買い物支援——–セブンイレブン(茨城県 移動販売)
田辺市中辺路(御用聞き、宅配サービス)
江府町・日野町(「あいきょう」による移動販売、見守り隊、病院と連携)
【課題】 ・店舗の採算が厳しい ・買い物弱者対策に自治体のサービスは無理
・事業の継続性を維持するには、福祉サービスとの複合化(民間+自治体)
・空き家対策
【課題】・
・「空き家」の特定が難しい ・「危険空き家」は勧告、行政代執行 ・撤去コストは誰がみるのか
【長崎市の空き家対策】 ・指定地域制 ・所有者が解体できない理由がある ・解体後の土地は
市のものになる ・解体後の土地の管理は自治会で行う。
4 おわりに
「人口減少」——国として未経験の領域に入った。
空き家、空き店舗の有効活用も重要だが、全体の一部にとどまる
「優先順位」——安全・安心な暮らしを脅かす可能性の高い問題から取り組む
資産のリスク管理、「森林」「農地」「住宅」の順に守る
「コスト」———–避けられないところにある。
・コストがかかるリスク管理を行う。減少する人口に合わせtて、見直し適切管理
【質問のようす】
