9月例会(担当:広域観光委員会 野口稔浩委員長)が9月16日(水)ホテルニューオータニ鳥取「はまなす」で開催されました。
ゲストには境港管理組合港湾管理委員会事務局長 細羽 正氏をお招きし、「北東アジアゲートウェイ~境港の取組~」と題し、ご講演いただきました。


【講演の要旨】
境港の機能
①国際海上コンテナ拠点 ②原木拠点 ③外航クルーズ拠点
④国際フェリー・RORO船拠点 ⑤リサイクル貨物拠点
の5つの機能があり、北東アジアゲートウェイとして日本海側地域の経済発展に
貢献している。
目指すところは
・物流コスト削減とリードタイム短縮による国際競争力の強化
・観光立国の実現
・循環型社会の構築
◎境港流通プラットホームの設立(2015年7月11日)
物流環境の改善に向け、産学官金による「境港物流プラットホーム協議会」を立ち上げ
方策を検討実施する。
①物流の改善
・日本海側国内海上輸送のミッシングリンクを解消し、中海・宍道湖・大山圏域及び
中国地方の物流の効率化を実現
・境港国際コンテナ航路・国際定期貨客船等の利用促進及び国内物流・国際物流の連結
②物流・取引環境の改善
・物流サービス・輸送システムの改善及びビジネスマッチングの促進
◎境港におけるクルーズ船寄港の現状と今後の対応
1 クルーズ市場の動向
・クルーズ市場は年々成長している。 2020年予測 400万人
・中国発着の日本・韓国向けショート&カジュアル・クルーズ(3~7泊)の増加
・配船される船の増加や大型化が進む一方で各港での誘致競争の激化
日本への寄港状況 2014年 1203回(訪日客 41万人)
2020年目標 訪日客 100万人
境港への寄港状況 2014年 11回(14千人)
2015年見込 23回(約2万人)
2 クルーズ船寄港による経済波及効果
・那覇港での調査——–乗船1人あたりの平均消費金額 約3.8万円(買物代が主)
大型クルーズ船(3000人クラス)1寄港あたり直接的経済効果
は約1.37億円
・境港での調査(H26.10)——乗客1人当たり平均消費金額 約2.3万円(OPツアーが主)
・訪日外国人旅行者の消費金額(2015年4~6月 観光庁調査)
訪日外国人1人当たり旅行支出 177,428円(うち買物 76,995円)
訪日中国人1人当たり旅行支出 285,306円(うち買物 173,404円) 3 クルーズ船寄港に対する境港の取組
これまでは管理組合が中心となって手探りで取り組んできたが、これからは、山陰の人々や
企業にとって、クルーズ船の寄港は多くの便益や活力をもたらすため、幅広い関係者と連携を
強めながら戦略的な誘致活動及び受入態勢づくりを進める。(持続可能な取組)
①港湾機能の強化(管理組合の本来業務)
②ポートセールスの継続実施(管理組合+観光関係者)
③旅客の受け入れ態勢づくり(地元をあげての取組)
④観光誘客促進&顧客満足度UP&消費拡大の仕組みづくり(民間事業者の取組)
・戦略的な観光プラン開発とプロモーション
・ショッピング・ツーリズムの導入
・クルー向けサービスの充実
・クルーズ船への地元食材等の売り込み
⑤その他——–乗客・乗組員との交流、観光業従事者や通訳ガイドの実施研修
県民等への乗船機会の提供
細羽事務局長からは、今後ますます増加するクルーズ船(大小は問わず)の寄港を経済界がいかにして
ビジネスチャンスに繋げるかが境港振興のカギを握っている。そのためには経済界として何をすべきかの
示唆に富んだお話をいただきました。
参加会員からも多くの質問も出されました。
