NEW 11月10日(月)中国四国地区9県と経済同友会幹部との意見交換会の内容
標題の意見交換会の来賓講演では、内閣府副大臣(地方創生担当)平 将明氏をお招きして「まち・ひと・しごと創生本部の取組について」お話を伺いました。
<平 将明 内閣府副大臣>
講演内容は要約すれば、次のようなものでした。
1 地方創生に関する現状(人口や出生率の課題)
(1)出生数・出生率は1970年代半ばから減少傾向にあり、今後も人口が加速度的に減少する。
合計特殊出生率を1.35で計算していくと、2040年で1億728万人、2060年では8674万人。
生産年齢人口(15歳~64歳)は2010年の8174万人が2040年で5787万人、人出不足。
(2)地域によって人口の「減少段階」は大きく異なる。(2010年を100として⇒2040年)
・東京都区——–総数 94 65以上 153 15~64 80 <第1段階>
・人口5万人以下——総数 72 65以上 102 15~64 61 <第2段階>
・過疎地域市町村—–総数 60 65以上 81 15~64 50 <第3段階>
東京圏や大都市は第1段階レベルであるが、地方はすでに第2・3段階に達している。
(3)人口移動—–東京圏に集中。転入超過。転入者の大半は若年層。
・国際的にも、首都圏への人口集中度は高い。
・東京在住者の4割が、今後は地方への移住を検討したいと思っているが、女性は地方への移住
には消極的な傾向がある。
・移住の不安材料は「雇用」や「日常生活や交通の不便」が高い。
(4)日本の合計特殊出生率——-昭和60年 1.76 平成23年 1.39
・世界各国の出生率はさまざまであるが、日本は国際的にも非常に低い。
フランス 2,01 イギリス 2,00 スウェーデン 1,98
アメリカ 1,93 ドイツ 1.39 韓国 1,23
(5)OECDのシミュレーションで育児費用の直接的軽減、育児休業、保育拡充の政策によって合計
特殊出生率は2.0まで回復可能となる。
(6)地域で人口減少の自然増減・社会増減の影響度が異なることから、地域別の戦略の策定、その
推進が重要となってくる。
2 まち・ひと・しごと創生本部の組織
総理大臣を本部長として、副本部長が地方創生大臣と官房長官
本部員はすべての国務大臣で構成されている。
平成26年10月から分野別に分かれて、協議しており、地方公共団体関係者からのヒアリング、
各府省庁からのヒアリングを実施している。
<基本方針>
・地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服する。
・安心して働き、結婚して子育て、将来に夢と希望がもてる地方の創生
・人口減少・超高齢化という危機的な現実を直視しつつ、景気回復を全国津々浦々で実感できることを
目指して次元の異なる大胆な政策を中長期的な観点から、結果がでるまで実行していく。
<基本姿勢>
・的確・客観的な現状分析と将来予測を踏まえ、中長期を含めた政策目標の設定の上、効率の高い政
策を集中的に実施する。「バラマキ型」の投資などの手法はとらない。
・各省庁の「縦割り」排除、ワンストップ型の政策展開
・地域の効果的・効率的な社会・経済システムの構築を図り、税制・地方交付税・社会保障制度をはじ
めとしたあらゆる制度を検討する。
・地方の自主的な取り組みを基本とし、国が支援する。国と地方自治体との連携・協働。地域に根ざし
た民間の創意工夫を後押しする。
・現場に積極的に出向き、先進・成功事例だけでなく得られた知見を政策に活かしていく。
3 ひと・まち・しごと創生法案(改正地域再生法と併せて、平成26年11月21日参議院本会議で可決
した。)
<目的 第1条>
ひと————国民1人1人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営める地域社会の
形成
まち———–地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保
しごと———地域における魅力ある多様な就業機会の創出
<基本理念 第2条>
(1)個性豊かで魅力ある地域社会で潤いのある豊かな生活の環境整備
(2)日常生活・社会生活の基盤となるサービスの提供確保
(3)結婚・出産・育児—–希望が持てる社会の環境整備
(4)仕事と生活の調和を図る環境整備
(5)魅力ある就業の機会の創出
(6)地方公共団体相互の連携協力による効率的・効果的な行政運営の確保
(7)国・地方公共団体・事業者の相互連携
次に中四国9県からの地域活性化に向けた取り組み事例発表の内容はこちら(PDFファイル)を
ご覧ください。⇒⇒16ページ 中四国9県 活性化取組状況