New 10月20日~21日 円卓会議における講演内容と福島県沿岸地域3市町村の取組状況
全国経済同友会代表幹事円卓会議においては、竹下復興大臣から「復興加速化への取組」と題して講演がありましたが、話の内容は次のようなものでした。
1 被災3県のうち、岩手県と宮城県は復興の槌音が聞こえているが、福島県では沿岸地域が原発事故
の影響で未だ復旧の段階であること
2 未だ避難生活者が24万人あるが、復興の加速化に向けて、住宅再建・まちづくり、産業・なりわいの
再生、健康・生活支援、福島の復興・再生、新しい東北の創造への取組を進める。東北が元気にならなければ日本の復興は無い。閣僚全員が復興大臣である。省庁の縦割りを排し、現場主義を徹底させる。
3 福島の復興・再生に関して
(1)福島県全体では避難者数は約13万人(H26.9)、うち避難指示区域からの避難者約8万人
(2)避難指示の解除は田村市(H26,4)、川内村(H26,10)
避難指示区域住民の帰還意向調査で双葉町と大熊町は「戻らない」が約7割
(3)避難者への方針
「早期帰還者区域」——–除染、インフラ復旧、生活関連サービスの再開
「長期避難者対策」——–町外コミュニティ(復興公営住宅整備 約4900戸)
「新たな生活を開始する者」——賠償の支払い、就業や住宅の斡旋
4 「新しい東北」の創造への取組
(1)「新しい東北」官民連携推進協議会設置(経済同友会代表幹事も代表の1人)
(2)「新しい東北」先導モデル事業
(3)「WORK FOR 東北」———企業等の専門人材を派遣
(4)「復興金融ネットワーク」——–官民連携で新規の民間資金を円滑供給
次に被災3県の代表幹事から「震災復興に向けた取り組み」が報告された。
資料は次のファイルをご覧ください。
岩手 代表幹事 高橋 真裕 氏——–被災三県からの報告(岩手)
仙台 代表幹事 大山健太郎氏———被災三県からの報告(仙台)
福島 代表幹事 浅倉 俊一氏———-被災三県からの報告(福島)
被災三県からの報告の後、来賓の田村市長 冨塚宥暻氏から「住民帰還に向けた支援と復興の課題」と題して講演があり、大震災発生・原発事故からの三年半にわたる取組についてお話しいただくとともに、田村市が進める復興計画の推進状況、田村中央スマートIC(東北横断自動車道 いわき新潟線)の概要について説明を受けました。原発事故賠償金10万円/月・人(田村市は本年4月に避難指示解除となった。)
21日の視察研修では、
(1)川内村の植物工場を見学しました。
日本最大級の完全密閉型植物工場による原子力災害被災地の農業再生に向けた取り組みが進んでいますが課題も多い。
㈱KiMiDoRi 代表取締役 早川 昌和 氏 レタス類、ハーブ類を生産している
○冷蔵庫で約2週間保存OK ○種から40日間で育つ ○大阪府大、千葉大と産学連携 ○温度管理に注意
○事業費 5億8千万円(国費約1/2) ○フリルレタス 2000個/日、ミックス10(丸紅扱)2000パック
/日、5種類サラダ(生協)1000パック/日
(2)川内村長 遠藤雄幸氏との懇談会
福島第1原発事故によって全村避難から2012年4月役場機能復帰以降の生活インフラ整備・環境回復の取組と住民の帰村に向けた課題について、お話を伺いました。
川内村は23年9月には緊急時避難準備区域の解除となり、11月から除染開始となった。
24年1月に帰村宣言し、24年3月役場機能を復活、4月から住民帰村が始まったが課題は多い。
河内村 遠藤村長
(3)富岡町長 宮本皓一氏との懇談会(福島県南双葉の中心地)
町の面積の30%を占める人口集中区域が未だ「帰宅困難区域」のままである。
本格復旧には道のりが遠いが、富岡駅周辺、富岡町復興拠点構想地区について、現地視察と町長からの説明を受けた。写真からもわかるように、津波の被害と放射能汚染の惨状を目の当たりにした。
汚染廃棄物と帰宅困難区域(道路一本を隔てて居住制限区域と避難指示解除準備区域に分かれる)
———-居住制限区域はフェンスで囲われており、監視されている。補償額も異なる。
居住制限区域と放射能測定器
また、JR富岡駅は津波によってことごとく破壊されている。しかし、放射能汚染は心配がない。
民家には軽トラックが流されたままになっている。
(4)いわき海星高校への支援確認
Ippo Ippo Nippon プロジェクトによる支援成果を確認した。
澤尻京二校長からは謝辞とともに今後の展望と課題についてお話をうかがった。 支援の一部